再婚活の話ばっかり書いてますけど、今日はちょっと時間をさかのぼります。そもそもの始まり、僕が離婚した日の話です。

もう8年前になります。僕が40歳のとき。離婚の原因は、何度でも書きますが僕の浮気です。完全に自業自得。で、そのとき一番きつかったのが、当時小学4年生だった息子に「離婚する」と切り出す瞬間でした。アプリで初対面の女性に会うときの緊張なんて、あれに比べたら屁みたいなもんです。今日はそのことを書きます。

何て言えばいいのか、台本が一行も浮かばなかった

離婚すること自体は、もう元嫁との間で決まってました。問題は、それを息子にどう伝えるか。

これがね、本当に言葉が出てこない。「お父さんとお母さん、別々に暮らすことになってん」。たったこれだけのセリフが、頭の中で何百回リハーサルしても、口から出る気がしない。しかも原因が僕の浮気だと考えると、なおさらです。被害者ヅラもできないし、かといって小4に向かって「実はお父さんが浮気して」なんて言えるわけもない。完全に詰みでした。

結局、元嫁と相談して「具体的な原因は言わない。ただ一緒に暮らせなくなったことだけ伝える」という方針にしました。9歳の子に大人の事情をぶつけても、混乱させるだけです。これは僕が罪を隠したというより、息子を守るための線引きだったと、今でも思ってます。…まあ、隠したと言われたら否定はできませんが。

いざ言ったら、息子は黙り込んでしまった

夜、リビングで二人になったタイミングで切り出しました。

「お父さんな、これからお母さんと別々に住むことになってん」。声、めちゃくちゃ震えてました。で、息子の反応はというと——無言。じーっと僕の顔を見て、それから下を向いて、何も言わない。怒鳴られるほうがまだ楽でした。あの沈黙、いまだに思い出すと胃のあたりが重くなります。

しばらくして息子がぽつっと言ったのが「お父さんとは、もう会われへんの?」。それを聞いた瞬間、僕、完全に言葉を失いました。準備してた説明とか、ぜんぶ吹っ飛んだ。「会えるよ、ちゃんと会える」しか言えなかった。9歳の子が一番気にしてたのは、離婚の理由でも誰が悪いでもなく、「お父さんと会えなくなるかどうか」だったんです。

子どもの心配って、大人が想像してるのと全然ちがうところにある。僕は「ショックを受けるんちゃうか」「責められるんちゃうか」ばっかり考えてたけど、息子が本当に怖がってたのは、もっとシンプルで、もっと切実なことでした。

あの日、ひとつだけ守れたこと

正直、あの夜の自分の対応に満点はつけられません。しどろもどろだったし、用意した言葉の半分も言えなかった。

ただ、ひとつだけ守ったことがあります。元嫁を悪く言わなかった。これだけは徹底しました。だって悪いの僕やし。原因作っといて相手のせいにするとか、人間として最低ラインを下回ります。それに息子にとって、母親は母親。僕の罪と息子の母親への気持ちは、まったくの別問題です。ここをごっちゃにしたら、息子に一生消えへん傷を残すとこでした。

もうひとつ伝えたのが「お父さんもお母さんも、お前のことが大事なのは何も変わらへん」。これは理屈じゃなく、とにかく最初に言いたかった。離婚は夫婦の問題であって、お前が原因じゃないし、お前が捨てられるわけでもない。9歳に全部は伝わらんかったと思うけど、それでも言葉にして渡したかった。

今この記事を、再婚活してる48歳の僕が書いてます。8年経っても、あの夜のことは美談には変換できません。でも、逃げずに自分の口で伝えたこと、悪口を言わなかったことだけは、過去の自分を少しだけ許せる材料になってます。

まとめ

  • 子どもへの離婚の切り出しは、原因の説明より「これからどうなるか」を不安に思ってる
  • 自分が悪いなら、なおさら相手の悪口は言わない。子どもの母親(父親)を否定しない
  • 「お前のせいじゃない」「大事なのは変わらない」だけは、言葉にして渡す

家庭を自分で壊しといて言うのもなんですが、あの夜から逃げなかったことだけは、後悔してません。もし今まさに同じ場面の前で固まってる人がいたら——台本なんて完璧に用意できなくて当然です。震えながらでいい。自分の口で伝えるだけで、十分だと思います。